- エンジニアへの転職に興味がある!
- でもプログラミングの実務経験は無く、やっていけるか不安……
プログラミングを学んで楽しいと感じると、『エンジニアに転職したい』とぼんやりと感じ始めませんか?
楽しいプログラミング作業でお金をもらえるなんて夢みたい……
ただ、自分のスキルレベルで通用するのか? やっていけるのか……??
不安に感じますよね。
このような場合、いきなり転職を目指すのではなく、現職場で現ポジションのまま、実務での開発実績を作ってみるのがおすすめです。
以下の経験に基づき、記事を書いています。
- 30代未経験からSIerに転職、プログラマーとして勤務中。
- 独学でプログラミングを学び、前職では自作プログラムを業務フローに組み込みました。
- この経験をアピールし、転職活動に成功。
どうやって開発実績を作るのか
現職場で開発実績を作ると言われても、どうすればよいのかイメージがつかないかもしれません。
例えば、以下のようなアプローチはどうでしょうか。
- 現職場の問題点を探す
- 改善に繋がるプログラムを自作する
- 職場に持ち込み、作業フローへの導入を目指す
- 責任もって保守を行う
プログラムの本質は作業の自動化、効率化なので、現職場の業務改善を個人レベルでやってしまおう、というわけです。
加えて、プログラミングに慣れてきていろいろ作れるようになってくると、作品をほかの人にも使ってほしい……!!、という承認欲求も出てくるもの。
そちらもしっかりと満たせます。
現職場での実績作りがおすすめである理由
エンジニアへの転職にあたって不安がある場合、まずは現職場での開発実績作りがおすすめです。
理由は、以下の通り。
- 業務としてのプログラミングを経験してから、向き不向きを判断できる
- 転職活動のアピールポイントになる
- もしシステム開発が合わなくても、リスクが無い
実務を経験してから、向き不向きを判断できる
趣味で自分一人で行うプログラミングと、業務で担当するプログラミングは、感覚が全然違います。
納期があったり、品質保証への責任、不具合が起こったら即時対応を求められたり……
これらはプログラミングの学習過程ではあまり実感しないものですが、エンジニアになると常に意識しなければなりません。
プログラミングへの興味関心だけでなく、こういった側面も経験しておいたほうが、「転職したけど、思っていたのと違った……」、というリスクを下げられます。
転職活動でのアピールポイントになる
中途採用の選考では、ほぼ実務経験しか聞かれません。
たとえ募集要項に未経験者歓迎と書かれていたとしても、本音は即戦力を欲しています。
業界未経験からエンジニアを目指す場合、プログラミングの実務経験を問われても答えようがないですよね。
しかし、自発的に業務レベルのプログラミングを行っていた、という経験があれば、アピールの起点にできます。
エンジニアへの転職活動で求められるスキル
エンジニアへの転職活動で求められるスキルは多様ですが、特に以下が重要といえます。
- プログラミングやIT技術のスキル
- 自ら考えて行動していける、自走力
- 周囲に自分の考えを発信できる、提案力
これらを実務ベースで経験できるという観点からも、現職場での実績作りというステップは有効と言えそうです。
システム開発が合わなくてもリスクが無い
エンジニアの世界は合う合わないがハッキリしています。
プログラミングが楽しいと感じることは必須条件であることはもちろん、
一度転職してしまうと、やっぱり合わなかった!!、となったときに大変ですよね。
その点、『現職場のまま』システム開発をお試しでやってみることは安心です。
合わなかったとなれば、転職活動に進まず、現職場で働き続ければ良いからです。
具体的なアプローチ
現職場で働きながら、自発的にシステム開発作業に取り組んでみることには大きなメリットがあることを紹介してきました。
ここでは、以下のプロセスをより具体的に掘り下げていきます。
- 現職場の問題点を探す
- 改善に繋がるプログラムを自作する
- 職場に持ち込み、作業フローへの導入を目指す
- 責任もって保守を行う
まずは、現在の職場で自身が行っている業務を振り返ってみます。
「効率悪いな……」、「面倒……」、「ミスが多発している……」、といった作業が必ずある
はず。
何とかならんか、というポイントをいくつか挙げていきます。
- Excelへのデータ入力
- 手作業で繰り返している単純作業
- 毎日決まった時間に行わなければならないタスク
このステップをじっくり考えることで、何を作りたいかが決まってきます。
同時に、それはどのプログラム言語を使えば実現できるのか、も意識しておきましょう。
もし自信のあるプログラミング言語がまだない場合、おすすめ言語も後述しています。
作りたいものと、使用する言語が決まれば、開発の下準備は充分。
いよいよ、手を動かしてコーディングをしていきます。
注意するべきことは、ここで作っているプログラムは、最終的には第三者が使う可能性のあるものである、ということ。
自分用のプログラムではあまり意識することのない、UI構成やエラー回避、処理速度や例外処理についても意識しておきましょう。
これらを意識しながら実装することで、プログラミングスキルが一段と上がるはずです。
プログラムが出来たら、周囲や所属上長にアピールしてみましょう。
Koki
個人的な趣味で作ってみたのですが、作業が楽になるはずです。どうでしょう……!?
、といった感じで切り出せば、きっと興味を持っていただけるはず。
ぜひ使ってみよう、となれば大成功。
もし難色を示された場合は、めげずにSTEP1から再挑戦しましょう。
プログラムは、リリースして終わりではありません。
使われるうちに、必ず以下のような意見が発生します。
- 周囲のシステムとの連携に伴う仕様変更
- ユーザーからの改善要望
- 不具合の指摘
これらの意見にも、真摯に対応します。
これらの保守作業といい、エンジニアになった後は嫌というほど経験することなります。
現在進行形で稼働しているプログラムを改修するというのは、万一ミスがあった場合の影響度など緊張感が強いので、今のうちに慣れておくとベターです。
このサイクルを繰り返し、どんどん実績を作っていきます。
作れば作るほど、スキルが上がってプログラムの技術レベルや、品質が良くなっていくことが実感できるでしょう。
Koki
僕は転職活動を始めるとき、前職の業務内に、12個の自作プログラムがありました。
趣味と実務のプログラミングの違い
プログラミングは趣味でも可能です。
僕も最初は趣味からスタートしましたが、それが高じてエンジニアに転職しました。
エンジニアとして実務でプログラミングを担当するようになり、個人でやっていた頃との感覚の違いに苦労しました。
以下に、実際に僕が実感した違いをまとめてみました。
開発体制 | 基本的には一人で作業 |
言語や技術 | できるもの、使いたいもの、自由に選べる |
ソースコード管理 | 自分のローカルPC |
コード基準 | プログラミングエラーが無ければ、自由に書いてOK |
コード品質 | 不具合なく動けばOK |
開発スピード | 意識しなくてOK |
ドキュメント作成 | 特にしなくても問題なし(作成したほうが開発効率は上がる) |
検証作業 | 思いつく範囲でテストすればOK |
後戻り | 自分次第、入念に要件定義すれば減らせる |
開発体制 | 数人~数十人で、一つの機能を分担して開発 |
言語や技術 | プロジェクトで選定されたものを用いる |
ソースコード管理 | Gitなどのバージョン管理システムを用いることが多い |
コード基準 | プロジェクトごとにコーディング規約がある |
コード品質 | 保守性を考慮し、誰が見ても見やすい、また無駄な処理が無い、綺麗な実装が求められる |
開発スピード | 納期や予算など、決められた範囲内でタスクをクリアしなければならない |
ドキュメント作成 | 体制の変更に備え、常に開発仕様書として整備 |
検証作業 | テスト計画を作成し、様々なパターンを想定して入念にテストする |
後戻り | お客様次第 |
おすすめの言語
もしこれからプログラミング言語を学ぶ場合、以下の言語がおすすめです。
業務効率化ツールを作るという観点では、ほとんどの内容は、以下のいずれかの言語でカバーできるはず。
言語 | 作れるもの |
---|---|
C#.NET | Windowsフォームアプリ、コンソールアプリ |
VBA | Excelのマクロ機能 |
プログラム言語はこれら以外にも膨大にあり、開発現場で最も使われているJava、AIや機械学習で人気が上昇中のPythonなどもあります。
しかし、これらの言語で、プログラミング初心者が個人開発で業務改善に繋がるツールを開発できるか?と言われると、個人的な結論は『厳しい』です。
もちろんできなくはないですが、これらの言語が得意とする領域とマッチしていないように感じます。
そのため、特別な理由がなければ、前述の基本的かつ汎用的な言語を選ぶと良いでしょう。
まとめ:リスクゼロでまずはお試しから
この記事では、以下の内容を紹介してきました。
- 未経験からのエンジニア転職を目指すのは、ワクワクと同時に不安も大きいもの。
- まずはお試しで、現職場でなんちゃってプログラマーを試してみるのもアリです!
- 実務を通してエンジニアの向き不向きを判断でき、また転職活動のアピールにもなります。
僕は2019年からプログラミングを自習し始め、楽しさに取りつかれてからは、「いつかプログラマーになれたらいいな……」、と漠然と夢見ていました。
しかし、振り返って思うのは、エンジニアになりたいという漠然とした思いだけでは、絶対に転職は実現できません。
本記事で紹介してきたアプローチは、現環境のままリスクゼロで、今すぐ行動スタートできるもの。
いきなりの転職活動に自信はなくても、プログラミングやITに関心があるのなら、試してみる価値はあるはずです。
本記事が、皆様のエンジニアライフを実現するための第一歩を踏み出す一助となれば幸いです。