以下の疑問に答えます

ITを勉強したいけど、どうせなら「実戦」で活きる、需要の高い技術を学びたい!
開発現場ではどんなスキルが求められているの?

IT技術は専門的かつ難解で、勉強に時間が必要です。

Web制作の入門である、HTMLおよびCSSでも、基礎の体得に30時間ほどの勉強が必要と言われています。

やりたいこと、作りたいものが明確な場合、必要な言語や知識を学べば良いですよね。

しかし、やりたいことは決まっていないけど、市場価値を上げるためにIT技術を学びたい、といった動機の場合、何を学ぶべきか、なかなか決められませんよね。

需要がない分野に時間と労力を投資しても、今後に結びつかないからです。

このような場合、IT技術の最前線である、システム開発の現場で求められる技術を学んでおくと、腐りづらいはずです。

この記事では、実際にSIerでプログラミングに携わっている視点から、求められる機会の多い、つまり需要の高く学ぶ価値の高い技術を紹介します。

この記事の信頼性

以下の経験に基づき、記事を書いています。

  • 未経験からプログラミングを独学し、システムエンジニアに転職。
  • SIerの開発現場にいる視点から、需要の高い技術をピックアップしました。

なぜ「学ぶ価値の高い」知識がおすすめか

プログラミングの必修化、DXの促進、AIや機械学習の活用など、今後あらゆる業界でIT知識は必須となっていくと思われます。

そこで、今後のキャリア形成に役立てるため、また自身の市場価値を上げるために、是非ともIT技術は学んでいきたいところです。

しかし、多様なIT知識から学ぶべき項目を選ぶにあたり、「学ぶ価値があるもの」を選ぶことが大切です。

どのようなIT分野であれ、勉強して一定レベルの知識を身に着けるには、それ相応の時間と努力が必要です。

せっかく学んでも、その知識が実践で活かされず、市場での需要が乏しければ、投資に見合ったリターンを得ることができません。

そうなっては悲しいですからね。

ITの世界では、技術が日々進化し、新たな分野やツールが登場しています。

しかし、開発現場にはそれらの最新技術の基盤となる、必須レベルで求められる技術知識があります。

トレンドに流されるのではなく、実際の現場で需要があるものを選ぶことが重要です。

このような需要の高い知識から優先的に学んでいけば、学習成果を実践で活かせるだけでなく、転職活動やプロジェクト参加においてもアピールポイントになるはずです。

学ぶ価値の高いIT技術 4選

僕は現在、システム開発の現場で、プログラミングに携わっています。

その経験もふまえて、現場で求められる機会の多い、汎用的なIT技術をピックアップしてみました。

  • Java
  • オブジェクト指向
  • Git
  • Azure

Java:プログラミング言語

プログラミングの観点では、実践に繋がりやすい言語は、Javaだと言えます。

なぜならJavaは開発できる領域が広く、開発現場で最も多く使われている言語だからです。

以下は、Javaでできることの一例です。

  • Webサービスやアプリの開発
  • ソフトウェア開発
  • 基幹システムの開発
  • 組み込みシステムの開発

パソコンやスマホ、さらには電化家電まで、身の回りで触れているシステムのほとんどはJavaが使われている、またはJavaで開発可能、といっても過言ではありません。

このような汎用性の高さが、需要に繋がっています。

実際、僕も実務ではJavaを扱う機会が最も多いです。

また客観的なデータとして求人数の観点でも、Javaは主要プログラミング言語の中でも桁が違います。

言語求人数
Java15,206
Python7,939
PHP6,713
C#6,242
JavaScript5,933
Ruby2,634
HTML & CSS2,483
Visual Basic179
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このように、Javaは将来的なキャリア形成やフリーランスでの案件受注を視野に入れた場合も、習得しておく価値の高いスキルだと言えます。

Koki

個人的に「書いてて楽しい!」と感じる言語はC#なのですが……開発現場での需要を考えるなら、やっぱりJavaがおすすめですね。

オブジェクト指向:プログラミング思想

オブジェクト指向(Object-Oriented)とは、プログラミングにおける考え方、概念の一つです。

プログラミングにおいて、複雑な処理を1つのソースファイルにべた書きしていくと、以下のような状況に陥ってしまいます。

ソースコードが長くなりすぎて、どこに何を書いているのか見失ってしまう。

この対策として考案されたのが、オブジェクト指向という考え方です。

プログラムを個々の「オブジェクト」と呼ばれる小さな部品に分割し、それらのオブジェクト同士が相互に連携して一連の処理を構成します。

例えるなら、現実世界の物や概念の相関を、プログラムの世界に反映させたもの、とも言えます。

このようにすることで、複雑なプログラムでもソースコードの見通しが良くなり、また同じような処理は同じオブジェクトにまとめることでコードを再利用できるようになり、プログラミングの効率が圧倒的に上がります。

概念的な部分なので習得には慣れと時間が必要となり、プログラミングを深く学びたい場合、しっかりと身に着けておくことがおすすめです。

オブジェクト指向型のプログラミング言語の一例を挙げると、以下のようなものがあります。

  • Java
  • C++
  • C#
  • Ruby
  • Python

Git:バージョン管理システム

Gitとは、ITの現場で広く使われている、バージョン管理システムの一つです。

バージョン管理システムとは、プロジェクトのファイルやコードの変更履歴を管理し、異なるバージョン間での変更を追跡できるツールのこと。

Gitは特に、ソフトウェア開発の分野で広く利用されています。

Gitはリモートリポジトリ(中央のサーバー)と、各開発者のローカルリポジトリ(個々の開発者のマシン上)の両方にデータを保存する、分散型のシステムです。

また、ブランチと呼ばれる枝分かれ方式で、異なるバージョンのコードを分岐して開発することができます。

このようにGitの動作はシステム開発現場の要件を満たせるように複雑になっており、「チェックアウト」「フェッチ」「マージ」「プル」「コミット」「プルリクエスト」「チェリーピック」などといった操作がどういう意味で、何が起こるのかを把握しておく必要があります。

バージョン管理システムはITの世界では必ず求められるので、プログラミングの学習過程から慣れておくことがおすすめです。

Azure:クラウド

近年流行りのクラウドとは、インターネットを通じてアクセス可能な、リモートのサーバー群やリソースのことを指します。

契約して利用料を支払うことで、インターネット経由で様々なITリソースを借りられる、ということです。

一見メリットがわかりづらいかもですが、ユーザーサイドでは物理的なハードウェアを所有・管理する必要がなくなり、セキュリティや障害に関する懸念事項が大幅に軽くなります。

また、必要な時に必要なだけ借りられるので、コストを最適化できるというメリットもあります。

24時間365日稼働する必要のあるオンラインサービスの提供等で、幅広く使われています。

クラウドの契約および利用には相応のコストがかかるため、個人で利用する機会はそうないかもしれませんが、クラウドがどのようなもので、どのような活用事例があるのかを理解しておくことは、プログラマーだけでなく、企業の経営戦略やDXを担うポジションの方にとっても、必須レベルの知識といえます。

おすすめの勉強方法

続いて、前述のおすすめ技術をどのように学ぶのが効率が良いのか、個人的な経験も含めながら紹介します。

Java:良い書籍あります

Javaの開発環境は、パソコンさえあれば無料で使用できます。

僕は勉強でも業務開発でも、eclipseという統合開発環境を利用しています。

Javaの入門書は多数リリースされていますが、個人的には以下がわかりやすかったです。

本編と実践編の2冊構成で、メモリ上における格納データの扱いなど、非常に奥深いところまで解説されています。

Javaのプログラムを一通り書けるようになるために、まずは本編をしっかり理解していけばよいと思います。

オブジェクト指向:対応言語を学んでください

オブジェクト指向に触れるためには、まずは当然ながら、オブジェクト指向に対応した言語を学ぶ必要があります。

一例をあげると以下のようなものがあり、前述の項目も含めておすすめはJava、次いで個人的にはC#です。

  • Java
  • C++
  • C#
  • Ruby
  • Python

中級以上の技術書では、オブジェクト指向の考え方やプログラミング方法に関する章があるかと思いますので、そちらにそって学習を進めればよいかと思います。

また、僕がオブジェクト指向を学ぶにあたって使用した中で、おすすめは以下の3つです。

Git:無料でアカウント作れます

GitはGitHubというプラットフォームを通して使用することが多いですが、このGitHubは無料でアカウントを作成し、使用することができます。

そこで、まずはGitHubのアカウントを作っていろいろ試してみるのがおすすめ。

GitHubには、ソースコードが誰でも見れる形で公開される「パブリックリポジトリ」と、承認したユーザーしか見れない「プライベートリポジトリ」があります。

以前は無料アカウントではパブリックリポジトリしか作成できなかったのですが、2019年1月より、無料アカウントでもプライベートリポジトリが作成できるようになりました。

よって、個人的なソースコードでも気軽にGitの動作確認ができるようになりました。

簡単なHTMLファイルでいいので、ローカルで編集→リモートリポジトリにアップロードの流れを理解します。

そのあと、コンフリクト(編集同士が競合した場合)や、チェリーピック(必要なコミットだけ取り込む)などの高度な操作を理解していけばいいと思います。

Gitはソースコードの履歴がリモートリポジトリの「歴史」に刻まれていくイメージ。

リモートリポジトリの変更は、リアルタイムにほかの作業者にも影響します。

実務で想定外の状況になると非常に焦るので、自習の段階でいろいろなトラブルに遭遇する&自己解決する、という過程を大切にしてください。

Azure:資格取得で実績ゲット

クラウドを個人で契約および利用するのは、コストの観点から現実的ではないかもしれません。

そこで、書籍で全体像を学習し、資格取得にチャレンジするのがおすすめです。

有名なクラウドサービスにはそれぞれ技術レベルの認定試験があり、例えばMicrosoftのAzureでは、「Azure Fundamentals」という入門資格があります。

僕がこの資格に合格した際の勉強方法は、以下の記事に纏めています。

まとめ:学ぶ価値のある分野から攻める!

この記事では、以下の内容を紹介してきました。

この記事のまとめ
  • IT技術は難解なため、習得には時間と労力がかかる
  • やりたいこと、作りたいものが明確な場合は、それに必要な技術から学ぶべき
  • そこが未定の場合は、将来に活かせるよう、需要のある、つまり学ぶ価値のある分野から攻めるのがおすすめ

大前提として、IT技術の勉強は楽しいものであり、「これがしたい」「あれを作りたい」という欲求に従って進めるべきです。

自身のやりたいこと、作りたいものが明確な場合は、それに必要な技術から学んでいくべきです。

一方、やりたいことは決まっていないけど、市場価値を上げるためにIT技術を学びたい、という状況もあるかと思います。

そういった場合、市場で需要のある、つまり「学ぶ価値があるもの」を選ぶことが大切です。

せっかく学んでも、その知識が実践で活かされず、勉強に投資した時間と労力に見合ったリターンが得られなければ悲しいからです。

本記事では、僕のシステム開発現場での実体験をもとに、おすすめのIT技術を紹介しました。

学ぶべき分野に迷った際に、是非とも参考にしていただければ幸いです。